蕪(カブ)って、スズナのことですか?

こんにちは、したろうです。

旬の食材は、食べる薬といわれています。

今日は、秋冬が旬の(カブについて、お話したいと思います。

カブって、漢字でと書きますよね。の漢字の意味は、「雑草が生い茂る」とか、「荒れ果てる」とか、「草が覆う程にあれる」だそうです。ほかに、「粗雑な」などの意味があるそうです。

そんな、不名誉な漢字をあてがわれたカブに対して今日は、焦点を当てたいと思います。

の字が出てくる有名な詩といえば、日本の古文の教科書にも出てくる陶淵明(とうえんめい)の「帰去来の辞」がありますね。
「帰りなんいざ、田園将(まさ)に(あ)れなんとす。」から始まります。

「帰去来の辞」は、陶淵明が、仕事を辞めて、故郷、潯陽(江西省九江)に、帰ってくる途中の長江の船の上で読んだ詩と云われています。

「九江潯陽から望む長江」
そして、それ以後、彼は、生涯、近くの廬山に隠匿し、多くの詩を残します。

実は、私が、中国で赴任していた所も、廬山の近くの大学でした。
ですから、いたるところに陶淵明の像が建っていました。

陶淵明は、別名、「陶潜」ともいいます。どちらかといえば、「陶潜」のほうが有名かも知れません。
彼は、東晋の末期に潯陽(江西省九江)の中流家庭に生まれます。
中国で東晋の時代と云えば、三国志で有名な三国時代から百年以上も後の時代となります。廬山の詩で有名な李白や杜甫は、こののち、三百年先の詩人です。

陶淵明は、幾度の転職のあと、四十過ぎて、地方都市の役人になりますが、性格的に「宮使い」が合わなかったのでしょうか、三か月も経たずに自ら辞職します。
「帰去来の辞」は、その帰り道に詠った詩です。

以後、彼は、二度と就職せず、故郷、潯陽の近くにある廬山の山中で一生を全うし、田園生活を詩にあらわしました。
そして、現在では、田園詩人隠遁詩人(いんとんしじん)として、楊貴妃と並んで、アメリカの教科書にも出てくるそうです。
「人生、何が幸いするか分かりませんね。」
私も、幾度となく、廬山に赴き、陶淵明の詩を読みました。
約二千年前の悠久の時代に想いを馳せて。

      「廬山」

  「陶淵明の故郷の近くの温泉街」

話をカブに戻しましょう。
カブは、地中海沿岸や中央アジア辺りが原産とされ、日本には、弥生時代には伝わっていたと言われています。日本書紀にも記録が残されているそうです。
日本では、カブ以外に、「カブラ」「アオナ」「スズナ」とかの名前でも呼ばれていますね。
中国語では、芜菁「ウージン」と発音します。
りゅう先生の話では、中国ではカブは、胃腸を温めて、体内の余分な水分を抑える作用があると云われているそうです。また、咳や口の渇きを癒す作用もあるそうですよ。
そして、カブを常食にすると、内臓の働きが良くなり、心身ともに、丈夫な身体が作れると古くから云われているそうです。

今夜の夕食は、カブを、「カブラ蒸し」にして、カブりついてみませんか?

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