石焼イモは、美食でした。
こんにちは、したろうです。
いまだ、秋だというのに朝晩めっきり冷え込みますね。
中国の赴任時代に寒さには慣れていたはずですが、寒さには免疫なるものがないのですかね。
私が、中国で住んでいた場所は、長江中流域で江西省といい、一応、亜熱帯気候といわれている所でした。
しかし、行ってみたら、「見ると聞くとは大違い」のことわざ通りで冬は、極寒の寒さでした。(私の体感では。)
なにせ、中国の最東北部、黒竜江省、「氷の町といわれるハルピン」から来た学生さんが、故郷よりも、[ココノ、ホウガ、サムイデス。]と言っていたぐらいです。
私も、さすがに、「アンタ、それは、ないやろ。」と思っていたのですが、それには、若干の訳がありました。
それは、中国の東北部では、暖房の設備が完璧に整っているそうで、地図の上では、亜熱帯に属する江西省では、ほとんどそれが、整備されていないことに起因することを後で知りました。
ですから、ここの大学の学生寮では冷暖房設備は全く完備されいないそうです。この地の中国人民諸君の我慢強さを垣間見る思いがしました。
そう言う、私の宿舎においても、外国人専用宿舎として、一応、居間と寝室に一台づつエアコンが備え付けてありました。そうです。備え付けてあったのです。
居間の一台は、リモコンのスイッチを入れると同時に、ゴジラの雄たけびみたいなゴウオンが鳴り響きます。寝室の一台は、淑女のようにおとなしく、いつ、止まるか、わからないような微かな音を発します。この二台で私は、この地で冬を過しました。
中国の学生の食欲は旺盛です。学食は早く終わりますが、学内には、夜遅くまで喫茶店や麺類などのお店が開いています。しかし、いずれにしても、ファーストフードです。
ちょっとした、中華(西洋)料理を食べるには、学外に出ないといけません。
少し、懐に余裕のある学生さんたちは、近くの「美食街」なる飲食店街で青春を謳歌します。
最初、私も「なに、美食とな。」と少し、心が踊って通った気がします。
そこは、昔懐かしい、にぎわいのある、まるで「土曜夜市」を思わせるような屋台や飲食店があり、カラオケや隠微なスナックやバーも所狭しと立ち並んでいます。
私は、基本的に食事は、自炊を原則としていたのですが、人恋しさとスーパーの買い物のついでに、ひとりでよく、ここを散策しました。
この美食街の入口近くの露店に、「ドラム缶を改造した屋台の石焼いも屋さん」がありました。五十前後の夫婦連れではないかと思われる方が営んでいて、中国人にしては愛想が良いのです。その笑顔につられて、よく買って帰っていました。こぶし大のサツマイモ、二個が、なんと日本円で百円以下です。
それを、中央からナイフで切ってスプーンで食べます。この世の極楽を感じる一瞬でした。
中国の石焼イモも、サツマイモです。もともと、サツマイモは、中国から唐の時代に鹿児島に伝わったもので九州では、唐芋(カライモ)とも云うそうです。
また、甘藷(かんしょ)とも言いますね。中国では、サツマイモのことを、甘薯と書いて、「グァンシュウ」と発音します。
なぜ、鹿児島に伝わったのか分かりませんが、そこから、サツマイモになったのでしょうね。
りゅう先生の話によれば、中国では、サツマイモは、食物繊維を多く含むので、便秘解消や血液中のコレステロールを低下させる作用、血糖値をコントロールする働きもあるそうです。
そのため、薬膳として、糖尿病などの食事療法としても用いられるそうです。
また、ビタミンB1、B2、Ⅽも多く含まれているそうですよ。
私は、このサツマイモのおかげか?、便秘はほとんど、ありませんでした。