定年後の生活

 

こんにちは、したろうです。

今日から、これまで読んできた書籍の中で今後自身の生き方に参考になった本を紹介して行きたいと思います。

まず、楠木新さんの定年後」です。「中公新書」

副題は、「50歳からの生き方、終わり方」となっており、対象は50歳以降の男性の定年後の生活を対象にされています。

著者は、1954年生まれと書かれてますから、私とほとんど同世代ですね。

経歴は、京都大学を卒業されから大手生命保険会社に入社され支店長なども歴任されているみたいですよ。

当時、損保や生保に就職出来る人は羨望の眼差しで見られていた気がします。

いわゆる、一般にエリートと呼ばれる人々の中に入られる方みたいですね。

著者は47歳の時に会社生活に行き詰って体調を崩して長期に休職した経験があるそうです。

どんなエリートでも行き詰まりってあるのですね。

本書では、その時の事も記されています。

外出はできる状態だったが、行く場所に窮したことが切実に書かれていました。

ハローワークにも足を運ばれたそうで何ら特技もない自身の再就職も独立も簡単ではないことを思い知らされたと述べられています。

最近、大手の新聞社などが大規模な早期退職の募集を行うとのニュースを見ましたが、筆者の時代よりも状況は悪くなっているような気がしますね。

結果的に筆者は復職されますが、この体験から執筆活動に取り組むようになったそうです。

筆者は60歳まで勤めあげた後、定年退職されたそうです。65歳まで働くという選択肢もあったそうですが。

ご自身の定年退職時のことも紹介されていますね。

定年の日を境に満員電車に乗ることも机に座ることも同僚と話すことも、なすべき仕事も何もかもなくなった。開放感はあったが一方で2週間で位は会社を辞めたという実感が湧いて来なかったらしいです

私も会社を辞めた当時、夢に会社での生活が出てきたことが何度かありましたね。

そして、筆者は36年間、規則正しく朝7時には起きて出勤していたそうですが、それが、徐々に生活リズムが乱れ始めたらしいのです。

健康診断も強制されることはないため、自分自身の責任で判断することになる趣旨が書かれていて、会社からの拘束や仕事上の義務の中に自分を支えていたものがあったことを気づかされたと感想を述べられています。

定年後、体調を崩す方が多い原因もこの辺にもあるかも知れませんね。

著者は本書の中で、

定年退職者と思わしき人たちの特徴は一言でいえば、誰もが独りぼっちだということであり、退職によって生まれた時間をどのように過ごしてよいか分からずに戸惑っている様子だと述べられている。

では、家庭ではどうでしょうか?

著者は家庭でも孤独だと言われています。

これまである程度仲の良かった夫婦が定年退職を契機に離婚することも多いとのことらしいです。

原因として、奥さんが主夫在宅ストレス症候群という聞きなれない病気を発症するらしいのです。

症状は様々であり、うつになったり高血圧やぜんそくの引き金にもなることさえあるるらしいですよ。また、定年後の夫の家庭内暴力が離婚の主な原因という調査結果あるとのことです。

このような不幸にならないようにするためには定年後の人生の新たな目標や仕事が必要かもしれませんね。